新教養主義宣言
新教養主義宣言 | |
山形 浩生 晶文社 1999-12-25 売り上げランキング : 391313 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「かれがいなくなっても、サイバースペースにおけるかれの居場所がまだあるなら、どうして真にかれが消えてしまったと言えるだろう。思い出となったネット上のかれの存在が、存命中のかれのネット上の存在と比べてリアルでないなどと言えるのだろうか。存命中のかれは、そこにいたが、いなかった。今のかれは、そこにいないけれど、いるのだ。唯一の差は、かれが返事できないというだけに過ぎない。(中略)...インターネットこそは、われわれの知る限りで死後の世界に最も近いものなのだ。」
- デジタルキャッシュは信用を担保する存在が弱い。せいぜいどこかの私企業。国家通過との差は利息?どこからひねり出す?運用資産?実体もないのに?
- 『ゴミ投資家』シリーズ4作目について
- リスクは自己責任、を免罪符にどんどんリスクの高い方向に話を持っていく。
- 著者のいくつかの訳書(とくに実績の無いもの)は勝手に訳してから出版社に持って行ったらしい。
- 権利なんてのは社会的なお約束事。あることにしたらなんかメリットはあるか?整合性は取れるか?もろもろ考えて決めるだけの話だ。
本来的に存在するわけではない.
ぼくはそもそも権利という考え方自体が変だと思っている。人は、権利があるから何かをするわけじゃない。権利があったって、それができるわけじゃない。そうする物理的・財政的・その他的な能力があって、はじめて権利は意味を持つ。だったら、あるのは権利じゃない。人間が実際に持っているのは、能力と必要性だけなのだ。
- かつて文学や美学はひとつの正しい流れがあり、いろんな作品がその流れに対してどんな位置関係を取っているかという測量作業だった。
- 旅行者と生活者の決定的な差
- 何ら生産的な活動を行わず金を落とすだけなのが、旅行者。
- 平坦な戦場で僕らが生き延びるための。
チェンジ・ザ・ルール
チェンジ・ザ・ルール! | |
エリヤフ・ゴールドラット 三本木 亮 ダイヤモンド社 2002-10-11 売り上げランキング : 5708 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ここ数年、コンピュータシステムにはどの企業、組織も多大な投資をして来ました。中には数千万ドル、数億ドルという莫大な投資をしてきたところも少なくありません。しかしこうした多額の投資をして来たにもかかわらず、コンピュータシステムを導入して利益を飛躍的に伸ばした企業を、少なくとも私は一つとして知りません。
- コンピュータシステムはすべてを解決するわけではない。
- コンピュータシステムの真のパワーとは何か => データを処理する能力
- コンピュータを導入してもルールが古いままだとメリットはない。
- 本書で言う"ルール"...その環境における限界、障壁に対応した行動パターン、評価尺度、ポリシー、決まり事
- コンピュータシステムを設計する時点で、本来取り除くべき問題・制限(=ルール)を前提条件・限界としてスタートしている。
- すなわちシステムを用いる事で本来の"ルール"は解決することができるはずなのに、人間の慣習に則ってシステムを設計することでメリットを捨ててしまっている。
- 顧客の想像力には限りがない。機能の追加要望は無限に沸いて来る。
- トランザクションの処理コストが減っても、人員が減らなければコストは変わらない。
- 3種類の言葉がある。
- 1. configuration, screen, optionなどコンピュータの言葉。
- 2. リードタイム、生産性などマネジャーの言葉
- 3. 利益。経営者の使う言葉。
- トップの言葉を用いてメリットを説明しないと響かない。
- とくに中小企業に対しては「これを導入する事でどれだけ利益が増えるのか」を示す。
スコットとレニーが二人で会社を始めた当時、状況は正反対だった。今は『現状はよし、未来は暗し』だが、当時は『現状は苦し、未来は明るし』だった。当時は、何をなすべきか二人ともよくわかっていた。はっきりとしたビジョンがあったし、戦略(strategy)もよかった。具体的な戦術(tactics)まで持ち合わせていた。
簡単だったということではない。そんなことは、決してなかった。知名度も無ければ、お金もなかった。クライアントが少なくてもスタッフを増やす余裕が無い。しかしスタッフを増やすにはクライアントを増やさなければいけない。そんなジレンマに常に悩まされていた。いま振り返ってみると、当時の彼らに足りなかったのは経験だ。会社を大きくするために必要な経験だ。しかし、二人にはそれを補ってあまりあるものがあった。それは明確なビジョンだった。自分たちがどこに向かっているのか、二人にははっきりと見えていた.ところが、いまはそれがない。
(p.93)
- 良いシステムを開発するときの鍵は「どのようなルールを設けるべきか」という一点。
- バリューを販売するという方針。
大前研一の新しい資本主義の論点
大前研一の新しい資本主義の論点 | |
大前 研一 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 おすすめ平均 これからの世界を生きるために 一見難しそうだが、明確な意見と今後の予測がはっきりしていて理解できる。 次のアンソロジーも期待 新しい資本主義について考える! 世界中のエコノミストの中身の濃い論文集 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
- 大前さんが注目している地域
- ホームレス・マネーはダイレクトに市場を通じて民間企業に行く。政治家のポケットを通さない。
- スイスの多国籍企業、社員が海外赴任して10年20年戻らないことがある。親が居なくてもやっていけるように教育制度が充実。
- ユニリーバメソッド。途上国に進出したらまず浄水器。その後に石けんやシャンプーを売る。
- 大塚製薬のポカリスエットをインドネシアの文化に合わせてマーケティング、成功した。
- プリンシパル・エージェント問題...経営者の利害は株主のそれと一致しない。
- 金融商品の場合、貸し手と借り手が交渉することはない。条件について消費者に発言権はない。飲むか飲まないか。
- 非公開企業が公開企業を買収するリバースM&A。2007にはインドがやらかしたが、次はブラジル・ロシア・中国だろう。!
- グローカリゼーション(優れた製品を自国で開発、全世界に発信し、地域に合わせて一部改良)は結構古くからやられてた話。
- それと反対の方向、リバース・イノベーション。元々新興国市場向けに開発され、それが先進国でも受け入れられるようになる。グローカリゼーションとは相容れない。
- //14. GEのリバース・イノベーション戦略をもう一度読む。
- それと反対の方向、リバース・イノベーション。元々新興国市場向けに開発され、それが先進国でも受け入れられるようになる。グローカリゼーションとは相容れない。
LGT (local groth team)
- 1. 成長が見込める地域に権限を移転する
- //権限か。投資するのではなく任せてしまう
- 2. ゼロから新製品を開発する
- 3. 新会社と同じくゼロからLGTを立ち上げる
- 4. 独自の目的・目標・評価基準を設定する
- 5. 経営陣はLGTを直属に置く。
- 意志決定のアウトソーシングが進んでいる。
さて、思考プロセスをアウトソーシングする準備は整っているだろうか。その答えは、経験的に分析ツールをどれくらい信用しているかどうかによる。なぜなら、オフショア・サービス・プロバイダーが下す意志決定は、分析に基づくものだからである。<<
使ってもらえる広告
使ってもらえる広告 「見てもらえない時代」の効くコミュニケーション (アスキー新書) | |
須田 和博 アスキー・メディアワークス 2010-01-08 売り上げランキング : 25505 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
広告業界は元気が無い
Blog parts UNIQLOCKの田中耕一郎さんの「Branded Utility」という言葉。
今の時代に求められるのは「プロモーションになり得るサービス開発」「サービスとしての広告」
未来のテレビには1.普通の、2.フレンド、3.レコメンド3つのチャンネルが在るのでは、という。
「人々」は生活者であると同時に発信者
topicやthreadは人をあつめるが、tagにはその力は無い。離れたまま影響し合う。
始まる前からwebで話題になれば勝ち
# エルシャダイの発売は大丈夫か?
SNSで人を巻き込むだけでは「広告」と呼ぶには数が限られている
ユーザに愛されるためには1.突っ込まれ要素、2.単一のルール、3.コンテンツ消費→コンテキスト消費、4.仮説検証から仮説探索へ、5.全員シロート
//なんか最後の方どんどんズレとるがな
中村勇吾氏「コミュニティの核にはストーリーが在る。ストーリーの働きは人をあつめてコミュニティを作ること。ストーリーはすべてその時代の要請に応じて現れる」
デッドライン仕事術
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吉越 浩一郎 おすすめ平均 トップマネジメントのための仕事術 著者の仕事術のエッセンスが詰まっている 意識の変革 成長を促す「締め切り効果」は、日付を入れる。 刺激ありますよ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
改革、制度の成果のみを評価軸として、それを「正しかった」こと、としている。
他の外部要因はなかったのか、より適した方法はなかったのか、上に押しつけられた制度を遵守した社員はどう思っていたのかというあたりの情報が欲しい。
- 会社は従業員に給料を支払うために存在しているわけではない。会社の目的は利益を上げること
- 毎日の早朝会議で各自の仕事にデッドライン(基本翌日)をつけて翌日にチェックする。
- 総論としていいことは明らかなんだから全社的にやれ!と引っ張ることで各論反対をねじ伏せることも時には必要
- #うへぁ。ワンマン。
- ワンマン経営者は与えられた状況に対して即座に判断を下すことができるから変化の激しい時代に強い、とな
- メールは5分で返せ。判断できないという判断を速く下す。
- 時間がたてばたつほど面倒臭くなる。その間にどんどん「無能」認識が増加してゆく
- 睡眠時間を削って働くことが美徳とされている
- 講演で「8時間眠っている人は?」と聞いたら1人だった
- #で、その一人は仕事ができるのどうなの。寝るだけなら誰でもできる。
- 講演で「8時間眠っている人は?」と聞いたら1人だった
- 無駄な仕事はネグる(無視する)
- ネグると手を抜く、は違う。情報を集めるだけ集める。その後不要なものを無視する、というステップを踏む
昔の日本は実直にがんばってさえいれば幸福になれたが、これから求められる「頑張り」はそれとはやや質が違う。身につけるべきは、もっとしたたかな「勤勉さ」だ。単に、命じられたことを素直にコツコツとこなしているだけの勤勉さでは、いまや「よく頑張っている」と褒めてもらうことさえできない。
(p.42)
巨大市場インドのすべて
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メモ
- インドに対する日本人の典型的なイメージ
- →貧困にあえぐ人+極端な富裕層
- 実際は数十年前の日本とそう変わらない水準の生活が一般的
- 91年の経済自由化を契機に始まった資本の民主化・脱中心化によってカーストが崩れ、ミドルクラスの起業家が台頭。
- India: Commons Rising
- バンガロール、チェンナイ、ハイデラバード3都市は英語の普及率高く理系大学も多い。南インドのシリコンバレー・トライアングル
- 初等教育で数学的思考・論理的思考が強調されている。また、サンスクリット後の構造がコンピュータ言語に似ている
- #ほんまかいな→調べる→韓国語を入力できるようにIME( Input Method Editor)の設定という脱線
- 最近は中国に比べると「安い」国ではなくなってきた。
- 三菱化学は1997年にインド進出
- 受託開発業務における日印関係、その日本側の問題点
- 流通市場の特徴: 小規模な小売業者が98%を占める。
- インドの貿易赤字は04年で167億ドル、ソフトウェアは貿易外で、172億ドル。十分穴埋めができるし、年間伸び率は30%にもなる。
インドビジネス9つの法則
- インドの歴史を理解する
- 理解される前に理解する。
- 契約内容を明確にする
- 暗黙知を押しつけない。英語に気をつける。
- 明確なポリシーと120%の目標を提示
- パートナー選びからすべては始まる
- きめ細やかな事業計画を立てる
- フェアかどうかをはっきりさせる
- 重要なポジションをインド人に任せる
- 先入観のない人材を派遣する
- コミュニケーションを重視する。
参考文献
- 『心は孤独な数学者』
- ラマヌジャンの生涯を記した本
心は孤独な数学者 (新潮文庫) | |
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phrases
"揺れない心といえば聞こえはいいが、しかしそいつはただ硬直化しているだけで、自由を失っているに過ぎないのかも、な ― 強い衝撃を加えたら、ぽっきりと折れちまう"
(p.111)
「敵を引っかける釣り針は、"認識"ということだったか」
"つまり、見ている者の精神が、罠の発動と威力に反映される、ってことか?"
(p.132)
「優秀すぎる才能は、使い道に困るもんだ。だから大抵のヤツは、それに溺れて破滅する。だがこいつはなんだ。ここまで強力な能力をこんなにも有効に使っている癖に、目的がまったくわからない― 何が楽しくて生きているんだ?」
(p.149)
「おまえは私と戦っているつもりでしょ。でもそれは違う。おまえを閉じ込めているのは、おまえ自身のイメージ― 誰も自分の思考からは自由にはなれない」
(p.211)
「決着をつける―それがぼくの存在する、ただ一つの理由だからね」
(p.220)
"君はもう限界で、今までのようにただ隠れていることはもう、できないだろう。だからぼくが出てきた。君がこれ以上この世界に存在し続けると、世界はイメージと現実の境界を失って、曖昧模糊としてどろどろに崩れ落ちるだろう。今の世界の終わりだ。新世界の誕生で、君はそこで神となるのかも知れないが、しかしそうなるには、君には決定的なものがかけている―君自身のイメージがない。君には想像主たる素質がないんだよ"
(p.247)
想い出というのは、そのときに出会ったその経験なのか、それともそれをあとから思い返して、あれこれと考えることなのか。特別なことに遭遇するから想い出ができるのか、それともどうでもいいようなことを、後からしつこく思い返せば、それも想い出になるのか―区別しようがない。
(p.278, あとがき)