"ブギーポップ・ダークリー" 化け猫とめまいのスキャット

化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)
化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)上遠野 浩平 緒方 剛志

アスキーメディアワークス 2009-12-10
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おすすめ平均 star
star思い出を憎むことは出来ない
star恋愛を絡めなければ完璧
starあいまいな、世界

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phrases

"揺れない心といえば聞こえはいいが、しかしそいつはただ硬直化しているだけで、自由を失っているに過ぎないのかも、な ― 強い衝撃を加えたら、ぽっきりと折れちまう"
(p.111)

「敵を引っかける釣り針は、"認識"ということだったか」
"つまり、見ている者の精神が、罠の発動と威力に反映される、ってことか?"
(p.132)

「優秀すぎる才能は、使い道に困るもんだ。だから大抵のヤツは、それに溺れて破滅する。だがこいつはなんだ。ここまで強力な能力をこんなにも有効に使っている癖に、目的がまったくわからない― 何が楽しくて生きているんだ?」
(p.149)

「おまえは私と戦っているつもりでしょ。でもそれは違う。おまえを閉じ込めているのは、おまえ自身のイメージ― 誰も自分の思考からは自由にはなれない」
(p.211)

「決着をつける―それがぼくの存在する、ただ一つの理由だからね」
(p.220)

"君はもう限界で、今までのようにただ隠れていることはもう、できないだろう。だからぼくが出てきた。君がこれ以上この世界に存在し続けると、世界はイメージと現実の境界を失って、曖昧模糊としてどろどろに崩れ落ちるだろう。今の世界の終わりだ。新世界の誕生で、君はそこで神となるのかも知れないが、しかしそうなるには、君には決定的なものがかけている―君自身のイメージがない。君には想像主たる素質がないんだよ"
(p.247)

想い出というのは、そのときに出会ったその経験なのか、それともそれをあとから思い返して、あれこれと考えることなのか。特別なことに遭遇するから想い出ができるのか、それともどうでもいいようなことを、後からしつこく思い返せば、それも想い出になるのか―区別しようがない。
(p.278, あとがき)