裸でも生きる - 25歳女性起業家の号泣戦記

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
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講談社 2007-09-22
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Phrases

けれど私は、自分の可能性は柔道だけじゃないと心から信じていたし、私は社会に出てこの世の中にとって、きっと必要とされるような人間になるんだって、心の底から思っていた。その思いだけが私を前に進ませてくれた。
(p.38)

「でも実際私たちが援助や融資をしている相手国の事情がまったくわからなかったら、どうやって政策とか作ればいいんですか?」
「国際機関はいつだってトップに存在する。現場では、NGOを使い、そしてフィールドで生臭い活動が出来る人たちを使い、僕たちトップは頭を使う。正論だと思うよ」
「トップの人が現場を知らずに理論だけで政策を作っていては、結局NGOの人たちが上げてくる現場の声がまったく反映されないじゃないですか」(略)
やっと、ここワシントンにたどり着いたのに、その結果、私はものすごい違和感と、現場との乖離を感じた。けれど、自分の心の中にある疑問や葛藤を認めたくなかった。認めればこれまでの努力が水の泡になってしまうような気がしたからだ。
(この大きなビルは、途上国の現実からあまりにも遠くかけ離れている)
悩み、苦しみ、そして雇用契約が切れる間近、私の心には一つの決心が固まりつつあった。それは、「途上国に行く」ということ。
自分の目でいったいどんな問題が起きているのか、援助は本当に役に立っているのか、貧しいという現実をこの目で見なければ何も始まらない。
果たして自分が行っている仕事が正しいのかどうかも判断できない自分に、本当に嫌気がさしていた。
(p.66)

  • 現場主義。違和感を放置しなかったこと
  • 自分の仕事の意義を確信できるかどうか

現地の大学院に行けるような人たちはある程度所得がある家庭に生まれ、優秀な人が多い。しかし、一生懸命勉強して大学院を卒業しても就職先がないのが現実だった。
(p.109)

  • 機会がない。雇用の想像が必要とされていた

私は何かの力になりたいと思ってこの国に来たが、私に持っていない「強さ」をこの国の人たちはみんな持っていた。自分だったら環境を責め、自暴自棄になっていると思えるような過酷な現実だった。しかし私には「帰る場所」があった。日本という恵まれて国に生まれ、最低限以上のものを与えられ、生きてきた。そんな私が、「貧しい人のために」なんて思っていたことが、なんて浅はかで、傲慢で、無知な想いだったんだろう、と強烈に感じた。
(p.111)

生産者は、うつむきながらミシンを縫うのをやめ、「誇りとプライド」を持ってモノ作りにあたる。そうしてできた商品を、先進国のお客様は使い、満足する。それはNGOや生産者を支援するという目的ではなく、企業としてビジネスとして行うべきで、デザイン、品質管理、すべてを徹底する。
「途上国発のブランドを創る」
まさに夢物語だと思った。
(p.120)

  • その時点の常識で判断したら不可能。

まず私がしなければならないことは、「小娘のお遊びではなく、本当に真剣に何かをやろうとしているんだ」と、相手の信頼を勝ち取ることだった。それは、「こんな小娘に何が出来るんだ」と、いままで言われ続けてきた結果学んだことだった。
(p.132)

夢への思いさえあれば、それで何でも出来ると思っていたことが、明らかに間違いだと痛感した。人は動かせても、数字は動かせないし、大きいものが小さいものを踏み倒していくのは経済のルールなのだ。
(p.139)

ビジネスの世界で戦うと決めたのに、「社会的な意義」をアピールすることは、そういった要素に頼ってしまっている証拠だ。「社会的な意義」を商談に持ち込んで、それでモノを売ろうとする自分の根性に、甚だ嫌悪を感じた。モノの意味や、心のコアにあるたくさんの熱い思いを、社会に伝える場や方法はたくさんあるわけで、卸先や取引先に伝えるべきものは、まったく別ものだ。
(p.165)

メディアの取り上げ方は商品ではなく、すべて私個人に対するものだった。
そして、バッグを買ってくださった方からの注文メールを読み返すと、「貧しい人たちのために何かしたいから」とか「国際協力をしたい」といった内容も多く、バッグが欲しくて買ってくれるお客様は、本当にわずかだと気がついた。
そう、私はバッグ屋として肝心な「商品」でまったく勝負できていない事実から、無意識に目を背けていたのだった。
(p.186)

  • 本業は何なのか...
  • 現状を考えると高い望みに思えるが、それを自身に課して、乗り越えるのがすげー

memo