新しい株式投資論-「合理的へそ曲がり」のすすめ


新しい株式投資論―「合理的へそ曲がり」のすすめ (PHP新書)
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PHP研究所 2007-10
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おすすめ平均 star
star出来の悪い本
star3章「ツールとしての投資理論の研究」は、読んでいてぞくぞくします
starゲームとしての株式投資入門

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感情論と知ったかが混ざってなんとも香ばしくなってしまっている
とりあえず著者のパフォーマンスを示せ。話はそれからだ

一般的な構造として、「投機」は「投資」よりも不利だが、その不利は、投機に参加している本人が負うのであって、他人が負うのではない。「投機は悪い」というのは、一言で言うなら「余計なお世話」だ。
(p.44)

情報通の他人が教えてくれる投資情報は、「教えてくれる」というその行動自体が、(1)すでに他にも知っている人が居る可能性が大きいこと、(2)教える人が何らかの意図を持って情報を流している可能性がある事、の二点を示唆する。
(p.51)

目標株価の設定が、多くの場合、「自分の買値」を基準にして、いくらなら利食いで、いくらなら損切りと決める、という形を取ることには、軽い軽蔑の念を禁じ得ない。自分が買った株価が将来の株価形成に影響すると考えることは、一種の天動説的な錯誤であり、大げさに言うと、投資家としても社会人としても、恥ずかしい事だ。控えめに言うとしても、正しい投資の意思決定を行う上で、自分の買値にこだわらずに判断する習慣を持つことは、投資の改善にとって有用だ。
(p.74)

  • 損切りに対するdisだが...何を言ってんだ。
  • 本書後半で再帰性に関する議論してるじゃないか。

筆者が主張したい結論は「テクニカル分析を研究する人がいてもかまわないが、これを投資初心者に教える事は有害だし、まして、マネー誌などに時々あるチャートに基づいて行うような個人向けの投資アドバイスは有害だ」というものだ。
(p.83)

チャート分析は「まったくの無知でも意見を持てるようにするために開発された民主的ツール」であるが、根拠の乏しい売買を誘発して売買手数料を稼ぐために証券業界が普及に努める「手数料製造装置」でもある。思い切って捨ててしまっても、投資家にとって何ら不都合はない。
(p.86)

  • ここは概ね同意するところ

たとえば「CAPM(資本資産市場モデル)によると、インデックスファンドが効率的な投資対象だから、これがベストなのだ」と考えるような誤解が時々あるが、インデックスファンドは、CAPMで言う「市場ポートフォリオ」とは別物だし、CAPMは現実の資本市場を説明出来ていない*1という意味で、全く役に立たない理論なので、二重の意味でこだわる意味がない。
(p.105)

  • 個人的な好き嫌いを理論的であるかのように語る当たりは流石ファンド屋さん、というところか。

効率的市場仮説は、現実の株式市場の説明としては「嘘だ!」と言い切ってもいい。
(p.128)

  • 来たねー

投資家が持っている情報や解釈力のレベルは低い。個々の上場企業の株価を正しく推定するという意味においては、プロの投資家が持っている能力や情報も、素人投資家が持っているそれらも、「効率的市場仮説」が要求するようなレベルからすると、残念ながらはるかに下であって、有効性についてはお互いに大差がない*2というのが、残念ながら現実だ。
(p.130)

  • そして残念ながら根拠が無い。
  • そもそも正しい株価というものは存在しない、と考えた方がいいのかな

「バリュー投資家」という種が、アクティブ・リターン(市場平均を上回るリターン)を挙げて繁栄できることの背景にある原理は、下手なグロース投資家がグラマーストックに投資を集中し、グラマー・ストックの株価が高くなりすぎることなどに伴って「負けてくれる」からだ*3。「グラマー好み」の投資家および彼らがもたらす株価の歪みが、バリュー投資家の餌なのだ。
(p.176)

(プロのファンドマネジャーの知識や情報を持ってしても市場平均を上回らない理由は)
市場では、同じ銘柄を持っていれば同じリターンが手に入るから、情報を持っていない投資家も、情報をもった投資家が形成した価格にフリーライドできるから、というものだ。新しい情報が、次々と正しい株価に繁栄されて、株価が情報を移す加賀美のように機能する、という市場像は、かつての「効率的市場仮説」の世界観に近い。
(p.190)

重要な情報を得ていても、これが他人に理解されないと有効ではないし、他人に理解できるような情報だとしても、自分が有利なタイミングで買おうとしているのかどうかがわからない、ということなのだ。
(p.206)

結局、我々にできるのは、最低限の合理的な行動を理解しつつ、他の市場参加者が間違えてくれるかもしれない場所に、チップを張ることだけだ。間違えてくれるかもしれない場所を嗅ぎ付ける方法は「センス」による、としか言い様がない。
(p.216)

  • 「くだらないlocal minima」を二つも使ってやがる。経験/直感至上主義と、グレーゾーン問題。

市場参加者の評価が絶えず株価に反映していることが、株式投資というゲームの大きな特色だ。(中略)
株式投資というゲームのコツに深く関わる部分でもあるが、手に入りにくい情報や、他人が理解出来ないような難しいテクニックを知る事は、株式投資にとって、少なくとも必須ではない*4。情報という点について言えば、何が最大公約数的に有効な情報なのか、ということの「見切り」が大切だ。
(p.222)

  • この人の立場としては、理論的に株価を算出したり投資判断したりといったことはできない、でいいのかな

*1:要ソース

*2:要ソース

*3:要s(ry

*4:そこはもっと強く言い切るとこじゃないの!