「戦う組織」の作り方
「戦う組織」の作り方 (PHPビジネス新書) | |
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相変わらずこの人の言葉には力がある。漢。
概要メモ
2009年6月、渡邉美樹社長が会長に。全盛期だからこそ、衰えが来る前に後継者と組織を育てるために退く。
属人的能力に頼らない組織作り。
100年続く組織の下地を作る。そのためには
- 未来を見据えた新しい事業を生み出す
- e.g.農業。それに加えてもう一つ何か...
- 企業理念を創業者が退いた後も受け継がせること。
人の評価はドライに。しかしチャンスを与え、能力を活かす場を与え続けるのがリーダー。
失敗するM&Aとは、社長が現場を知らずに適当な社員に任せてしまうケース。
自分に取って楽な場所、楽しい場所ほど、部下に譲り渡して行く #安全地帯に留まらない..
リーダー育成のポイントは「120%のミッションを与えて追い込む」こと。150%では潰れるし、100%では成長しない。
部下は今本気で戦っているのか、余裕があるのか、これ以上やると潰れてしまうのか。それを見極める力。
部下を見る目は、仮説と検証、フィードバックで鍛えて行く。
自分を超えて大きく育つ可能性のある部下を素直に認める。嫉妬状態から解き放たれ、素直に成長を喜ぶ心を持つことがリーダーのカギとなる。
思考の三原則
- 目先にとらわれず、できるだけ長い目で見る
- 物事を多面的に見る
- 枝葉末節にとらわれず、根本的に考える
仮説が外れたら、何故判断ミスをしたのか徹底的に反省。渡邉さんの場合は夜の日記だった。
直感、才能で苦労せず成果を出して来たフィールドにおいては、部下を指導出来ない。苦労して失敗して乗り越えて来たことならわかりやすく指導できる。
腹をくくれること、一旦判断したら迷わないこと。
フレーズ
カリスマ的な創業社長が一線を退いたあとには、彼なくしても会社が成り立つような組織に、あらかじめ体制を変更しなくてはならないのだ。
(p.25)
組織はその成長段階に合わせて、必要とする人材をどんどん変えて行くわけだ。また同じ人間に対しても、要求する水準をどんどん変化させて行く。今必要な人間が、5年後、10年後にも必要であるかどうかは誰にも分からない。だから「組織は人を食いながら成長して行く」のである。
(p.51)
「戦う組織」とは、厳しい集団でなくてはならないが、人の可能性を見切る冷たい集団であってはならないのだ。
(p.54)
いわば軌道に乗った事業の経営というのは「戦後統治」なのだ。トップは常に戦場の最先端、120%の力を発揮しなくては勝てない場所で戦わなければならないのだ。
(p.64)
人は勝手に育つもの。伸びる人間は、自分で考え、挑戦して失敗し、また挑戦して壁を乗り越えながら、自分で成長していくものだ。
(p.85)
経営学の教科書には、「経営資源とは、ヒト、モノ、カネ、情報のこと」と書かれているが、これは間違いである。
「モノ」「カネ」「情報」経営資源だから、売り上げを伸ばしたり利益を上げるために、買ったり売ったり、捨てたり拾ったりしてもいい。
しかし人は経営資源ではなく、会社そのものである。会社と従業員は、同体だと私は思っている。売り上げや利益を確保するための手段として、買ったり売ったり、捨てたり拾ったりするものではないのだ。
(p.174)
参考文献
もう、国には頼らない
教育崩壊