「非常識」な組織づくりが会社を強くする―管理・査定をなくしてこそ、人は育つ!ベンチャーの旗手、川合アユムの異端の経営哲学
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遊びに行ったら後日プレゼントされた本。いい意味で期待を裏切られた。おもしろい。
なぜ、これほど周囲が物心両面で支援してくれたのか?
それは川合の場合、単なる会社の創業というよりも、ソフトウェア業界の中で与えられたミッションを果たすため、という意義を持っていたからだろう。これから手がけようとする事業について、「何のため」という目的がはっきりしていたわけだ。
(p.36)
- 社会的な意義が認められれば、損得抜きにして(または長期的なリターンを見込んで)支援してくれる人は多い。
- "意義"のあることを見抜く目が必要か。
変化させないような仕掛けは全部問題があるんだな、という発想にもなってきた。組織だって、こういう形が完成品と考えてしまった時点で、もう根本的な段階から失敗して行くんですよ。
(p.52)
- 変化を許容する組織か
- 変化するためには身軽である必要がある
それまでNECの製品に席巻されていた日本のパソコン市場に92年10月、いわゆる「コンパック・ショック」が走った。既存製品の2分の1程度の価格を引っさげて、米コンパックが日本市場へ攻勢をかけてきたのである。
(p.56)
- Windows95前か。
- 今価格に国家間で差があるものには何がある?
会社なんて潰れるときにはすぐ潰れる。それはたとえ大企業であっても変わらない。だから、社員とその家族の生活を守り切るなんて虚妄に過ぎない。やればやろうとするほど、ウソをいくつも積み重ねるようなものである。
(p.69)
- 会社自体が潰れなくても、働く環境が潰れる可能性はさらに高いし、やっぱ自分で切り盛りできるようになりたいところだけど、今の所は思うだけ。
ただでさえ難しい評価と言う行為の基準を、「利潤」から定義付けや測定の困難な「役割」に変えるとしたら、いったいどのような方法で行えば良いのか。
結論として、PD精度では評価・査定を全面的に廃止することにした。この判断は、DM精度の失敗から得た教訓に基づくものである。(中略)
評価・査定に置き換わるものとして新たに取り入れられたのが、人に対する「投資」という概念だ。個人に現在から未来への変化量を自分自身で宣言してもらい、会社はその人の成功を支援する、という考え方だ。
(p.82)
- 非常におもろい。信頼に基づく?人の顔が見える距離でしか通用しない?
「全員の給料をオープンにして何が大丈夫じゃないのか、よく考えてみて下さい。誰かの主観が入っていて、それが後ろめたいから公開できないんじゃないですか?」
(p.142)
- 公開すると...マンション購入の勧誘電話がかかってくるとか?
- "常識的に"カネのことは伏せろという社会である気がするし。プロフィールに年収書いてたら「なんなの」と思う
"優秀"な経営者が考えたことを、部下を手足のように使ってやらせる「命令と服従」に基づいた組織のあり方では、人が育たない。ベンチャー企業として社会の中に新しい価値を生み出し、成長を志向するのであれば、人材の成長が必要不可欠である。外部から優秀な人材を採用してなんとかする、といった発想ではいつまでたってもよい会社にはなれない。
(p.180)
- 人材を内部で育てるという発想。これですよ奥さん
今の社会では賢い人ほど失敗しないようにうまく立ち回ろうとする。
失敗しないビジネスとはどういうものか?他人のまねをし、アイデアを盗んで使うことだ。リスクを背負い先進性の高いことを始めた起業が決して報われず、そのノウハウを盗んだ企業がちゃっかり設けているのが現状なのである。
(p.193)
- 新しいものを作り出す、ということ=失敗を許容することがどうしても必要。