NHKスペシャル 最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖

NHKスペシャル 最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖
NHKスペシャル 最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖NHK「最強ウイルス」プロジェクト

日本放送出版協会 2008-05
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パンデミックフェイズ4に上げることで「ウイルス早期封じ込め」実行へ

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学とイギリスの研究グループが共同で発表した、数理モデルを用いた感染封じ込めシミュレーションがその理論的支柱となっている。東南アジアのタイ北部の村でパンデミックが始まったと想定して書かれた論文によれば、ウイルスの再生産スピード(一人の感染者が何人にウイルスをうつすか)が1.8以下であるとき、300万人分の抗ウイルス薬を用意し、感染者の発生を早期に探知して、48時間以内に感染地帯に届けることができれば、パンデミックへと向かうウイルスの感染拡大を封じ込めることが可能であるとしている。
(p.48)

  • シミュレーションか。現実うまくいくかな

まず第一に、パンデミックの場合にはすべての株が下落しますから、全面的に売りをかけます。第二に、エネルギー部門が特に落ちます。この5年間を振り返ってみると非常に好調な部門ですが、パンデミックがあれば、一番に痛手を追う部門であると言えます。パンデミックの際には、旅行など人の移動が減りますので、石油とその派生製品であるガソリン、ディーゼル燃料、ジェット燃料の価格は崩壊します。(中略)一方、製薬や医療関連の株は売らないでしょう。多くの患者が出て、死亡者が出れば、間違いなく儲かる部門です。
(p.57)

  • もともと鳥の体温で増えるのでヒト体内では増えにくい。
    • 肺の奥など温度が高い部分まで達すると、そこで繁殖*1
    • が、変異を起こしてヒトの喉33度付近で増えやすくなれば上気道で増殖
国家の対応

国立感染症研究所の田代眞人部長は、こう話す。
アメリカでは既に、大混乱した経済をどう立て直すのか、その復活のシナリオまで検討して望んでいます。のんびりしているのは日本だけですよ。日本にいるアメリカ系金融機関も、日本が大流行となれば、シンガポールなど海外に拠点を移して事業継続を行うことを検討していると聞いています。パニック対策も、アメリカでは、マスコミを巻き込んで、致死率20%を想定し、どう一般市民に状況を伝えるのか、訓練が行われています。こうした非常事態で、メッセージを誤れば、大変なことになるのは目に見えていますから」

  • 日本のマスコミの報道のしかた、もうちょっとなんとかならんか。訓練とかしてんのか
アメリカ保険福祉省による優先順位案(2007ver)
  • No.1
    • 国家の安全確保のための要員、妊婦、政府要人、保険当局者、救急医療従事者、警察、乳幼児など
  • No.2
    • 情報機関員、国境警備隊員、エネルギー・通信。コミュニティ支援担当者、子供
  • No.3
    • 65歳以上。感染すると危険になる大人、輸送・食料・金融・農業の要員など
  • No.4
    • 健康な大人
  • 日本の行動計画
    • かなり速い段階から始まっていた。1997に香港でH5N1が初めてヒトに感染する前から専門家による会合。2005に国として行動計画。しかし全体的に中途半端、という批判も

H5N1の感染者380人は、感染しやすい遺伝的背景を持っていたのではないか。もしH5N1がヒトに広まる変異を起こすなら、もうパンデミックがおこっていていいはず
(最終章, 改変)

  • それはどうなの

*1:H5H1型は、鳥のウイルスが豚を介することなく直接ヒトに感染して重度の肺炎を引き起こし死亡者も出した。