レッドゾーン(上)
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真山 仁 講談社 2009-04-24 売り上げランキング : 463 おすすめ平均 引き込まれる上巻 映画「ハゲタカ」とは別物です。 世界最大の買収攻防劇! Amazonで詳しく見る by G-Tools |
中国を知りたければマカオに行けー。
チップをもてあそびながらテーブルを見つめる鷲津政彦は、何人もの"中国通"が異口同音に勧めた意味を理解していた。この町こそは膨張中国そのものであり、欲望という"魔物"の巣窟だった。
(p.7)
- 鷲津来た!
- マカオはラスベガスですか
カネの威力こそが企業買収の決め手だと勘違いしている者が多い。だが、何より大切なのは、世論がどちらの味方につくかだった。たとえ、カネに物を言わせて買収を成功させても、世論の反感を買えば、その企業は大きなマイナスイメージと戦わなければならない。世論を味方にし、義はこちらにあることを強くアピールするのが、肝要なのだ。
(p.48)
- 結局は世論、というのが面白いな。公開で買う場合はそうだし、こっそり買ってばれたらまた立場が悪くなる。
「健全な市場経済に必要なのは、ルールと新陳代謝です。自由競争を前提にしている代わりに、厳格なルールを定めています。我々は無法者のように、世間からはよく言われます。だが、明文化されたルールを破るようなことは、絶対にありません。ただし、日本の経済活動の中で生まれた商習慣や既得権、しがらみなどを断ち切らなけらば、新陳代謝はおきません。我々は市場の健全性を維持するための新陳代謝を積極的に行っているに過ぎない」
(p.66)
「もう一度、SWFのリストをご覧になってください。オイルマネーが有り余って困っている国ばかりです。だからこそ、彼らはハイリスクが取れるのです。あるいはシンガポールのように、外貨準備高を使ってでも、金儲けをしなければならないという事情の国もある。日本版SWFは、ハイリスクが取れるのでしょうか」
(p.222)
「敢えて誤解を恐れずに申し上げますが、日本版SWFを創設するということは、日本が先進国ではないと宣言するのと同様です。おそらく、来年以降G8から外され、サミットにも呼ばれることはなくなりますよ」
(p.224)
- 日本版SWF (Sovereign Wealth Fund) を立ち上げることについての是非 by 鷲津。
- 中国はCIC (China Investment Corporation)。
「ハゲタカからのご忠告です。本業以外のビジネスに手を出した企業は、必ず潰れます。国家の本業とは何ですか。もう一度思い出して下さい」
(p.225)
- 議論が噛み合ないというのは大変だな
「さすがは鷲津さんだ。あんなクレイジーな連中とまともに闘おうなんて、常人では考えられない」
褒め言葉と解釈して、鷲津は肩をすくめた。
「私の頭のネジは何本か、抜け落ちているんですよ」
(p.296)
- たしかにww でもそこがいい
知識
- グリーンメーラー
- 株を買い占めたあげくに、当該企業に市場価格より高く売りつける荒っぽい投資家のこと。法律により「濫用的買収者」と定められている。