本を読む本



「名著用」の読み方という点で限定的な対象を扱った本。50年以上前の古典であり、良書の証明として、内容はどこかの「本の読み方」系の情報で見たようなものばかりで、新情報はほとんどなかった。というかフォトリーディング体系はかなりこの内容を踏襲しているな。
例がダーウィンとかシェイクスピアとかニュートンとかなので、ちょっと古風でかっこいい、くらいか。


読書レベル四段階

1. 初級読書

  • その文は何を述べているか?

2. 点検読書

  • 時間に制約を設ける。拾い読み。下読み。

3. 分析読書

  • 徹底的に読む。精読。

4. シントピカル読書

  • 複数の本を、自分の関心に基づいて並列読み。

抜き書き

『本を読む本』は、読むに値する良書を、知的かつ積極的に読むための規則を述べたものであります。すべての本がこの本の奨めるような読み方に値するわけではありません。厳密に申せば、それは名著と言われる本にこをふさわしい読み方であります。そのような名著は、一回だけでなく二回あるいはそれ以上の精読に値する物です。

(まえがき「日本の読者の皆さんへ」)

点検読書が時間に制約のある場合の最も優れた完璧な読み方だとするならば、分析読書は時間に制約のない場合の最も優れた完璧な読み方と言えよう。

  • 時間に制約を設けるか否か。
    • そう考えると分析読書以上に進むべき本は、必然的に限られてくるな...

有益な読書、つまり理解のための読書と、娯楽、つまり好奇心を満足させるだけの読書とをはっきり区別できる人でさえ、自分の立てた読書計画を達成できないことが多いのは残念なことだ。こういう失敗は意欲的な読者になる方法を知らないために起こるのである。その方法とは、読書によってしか得られない利益を得るために、読書に精神を集中することである。
(p.53)

  • 積極的集中。
  • 質問を思い浮かべて読み進める。

「その本の全体の統一を、2,3行か、せいぜい数行の文に表してみること」これが分析的読書の第二の規則である。

  • どんな本か。著者が何を言おうとしているか。自分の言葉で
  • 著者の言葉の使い方を、分析読書を奨める前に理解しておくことが必要。(これを「折り合いを付ける」と表現している。)

本に書いてあることが分かっていないことには、何を言っても始まらない。そのときは、黙って本を読み返すほかはない。

  • 理解のレベルがまた問題になるけども。他人と共有するとき特に。