「世界征服」は可能か?

征服後のビジョンが感じられない、と採点すると、たいていのマンガやアニメは不合格です。
(p.25)

ドラゴンボール』に出てくるいろいろな悪役は、世界征服した後の目的がきちんと描かれていて、しかもそれぞれが違うタイプです。
(P.40)

  • そういった視点からアニメ/マンガを見てみるとおもろい。
  • 最近は勧善懲悪モデルは少ないよな。グレンラガンくらい?

「世界征服」とは、「人類を服従させる」ということなのです。世界征服の「世界」は人間と人間社会のこと。
(p.48改変)

  • 動物を支配下に置きたいわけではない。征服者として認識される必要がある(もしくは自分の影響力を目にすることが出来る)

社会保障と福祉を中心に据えて完全雇用をめざしたヒトラーの失業抑制政策は世界中の経済学者から失笑されました。しかし数年も経たないうちにドイツの総生産力は世界経済の10%を超えて、アメリカに次ぐ世界第二の経済大国へと生まれ変わったのです。
(p.59)

  • そりゃ民主的に総督になるわな

実は非合法手段というのは効率が悪いです。犯罪は大規模・長期間になればなるほど利の薄いビジネスなんですね。
(p.100)

  • うーむ。真面目に考えてみるとそうなる。良い世界になった...のか?

支配というのは、旧体制を破壊したり、旧支配者を倒した後、自分たちの新体制を作り上げることです。必要なのは、混乱ではなくて新秩序への移行なのです。
(p.102)

  • 破壊のみを楽しむラスボスとかもたまにおるけどな

武器調達のためにまず襲うべきは、軍隊や銃砲店です。
(p.104)

  • これは盲点

「現実性のある武器」とは何かというと、値段や規模から考えて、毒ガスや生物兵器あたりが候補に挙がります。開発費もお手頃で効果も抜群。「貧者の核兵器」というたとえ通り、あのオウム真理教も使用して深刻な被害を出したのはご存じの通りです。
(p.107)

  • ウイルスの遺伝子ちょっといじってやれば。
  • 神経性ガスとかも、簡単に合成できる。

それまでの日本の支配者は、人民を奴隷のようにしてこき使うことこそ、自分が豊かであるための最短で最善の方法だと思っていました。人民を豊かにすることは、すなわち自分のと身を削り、権力を狭める結果になると信じていたのです。
信長は、旧来のそういう考え方を捨て「経済活動」という考え方を導入しました。
(p.124)

  • 相変わらず信長のすごさは底が知れない

前時代的な豊かさの象徴は「太っていること」だが、今や我々の社会は「物質的な豊かさ」を卒業している。
(p.145改変)

  • 金正日が良い例、と。彼はハリウッド映画を輸入しまくってる。

私たちも、世界征服するときとか、人類を支配するときに、人類は貧乏のままで自分だけが豊かにと考えると、絶対に足下をすくわれます。日本を支配した時には、他の国からそこの欠点を突かれるし、地球全体を支配したとしても、自分一人で地球人類の自分に対する反乱を防げるはずがない。
(p.150)

  • 自分一人さえ良ければ、という考えは長期的にペイしない

私には、アメリカがローマ主義でもって世界を支配しようとするなら、うまくいく可能性があると思います。私個人がアメリカを好きとか嫌いとかいう以前に、ローマ帝国の「異民族を併合して、議会や経済など価値観そのものをローマ化して、優秀な人材なら自分たちの皇帝にしてしまおう」という考え方は、現代ですら過激で先鋭で、真に国際的な考え方だと思うからです。
しかし、もし今のアメリカの支配階級が「白人による支配」とか「現在の財閥が永続すること」を望んでいるなら、いずれ遠くない未来に「アメリカの世界支配」は崩れるでしょう。それは世界を支配できたツール、すなわち「自由主義と民主主義」を自ら否定することにつながるからです。
現在の状況を見る限り、彼らが「パックス・アメリカーナ」などと言うのは「五百年早い!」ですね。
(p.157)

  • 自由主義と民主主義」に賛同する限り誰でもアメリカ人だ、というローマ的自由さがない。
  • これはおもしろいなー。なるほどアメリカは「輸出」しかしていないわけか。科学とか労働力はちゃんと「輸入」してるんだけど、政治やらの話になると急に「アメリカであること」にこだわり出す。
  • アメリカの人ではない側としては、そこにつけ込む隙があるか

世界を支配したからといって、好きなことが出来るわけじゃない。逆に揉め事を持ち込まれ、誰よりも公平であり中立であることを要求され、気に入らなくても弾圧や処刑も出来ず、むりにやったらいずれ滅ぼされる。それが現実の「世界征服」の姿なのです。
(p.160)

  • 世界が広くなってしまったからな

「全てに値段がつく経済社会」「すべての情報が流れ出す情報社会」には支配者が必要とされず、単なる気分的な「流れ」「ブーム」「祭り」だけが支配します。今の世界はもう既に、自由経済とネット社会、情報社会によって、革命が終了してしまった世界です。
(p.179)

  • 良い時代。投資2.0によるプライベートバンカーの失墜。フラット化。

「悪」とは、「その時代の価値・秩序基準を破壊するもの」です。
(p.182)

  • 大きくくくったな

「悪」とは、何か?それは人々の幸福を破壊する行為のことです。
そして人の幸福感とは「その時代の価値観」で決まります。つまり「その時代の価値観=幸福感」にダメージを与える行いや言論こそが「悪」なのです。
では「世界征服」とはなにか?それは人々から平和な生活を奪う行為です。平和というのは「現在の社会秩序が保たれている状態」を指します。
つまり「悪による世界征服」とは、人々の幸福と平和=「現状の価値観や秩序の基準」を破壊することなんですね。
では「現代の価値観・秩序基準」とはなにか?それは「自由主義経済」と「情報の自由化」です。
(p.183)


そして現在の「悪の組織」とは(中略)「地域通貨の見直し」だったり「経済優先ではなく、フェアネストレード」であったり、「ボランティアによる非営利団体活動」「ネットではなく、人と人との直接の交流」を広めようとしている団体です。
(p.185)

  • この視点は面白い。でも、世界にはまだ未開拓(いろいろな意味で)な地があるはず。だと信じたい。そこではまた違った世界が広がっている。
  • 人殺しや窃盗は、相変わらず「悪」なのはどうしてだ。人間の根源的な価値観・秩序基準がそれを忌避するからか。