第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界/傳田光洋(2007)
情報処理概念の拡張。脳云々はアピール。
参考文献が五冊しかなく、しかも那書ばかりで原著論文がない*1。異端なことを主張してるのだからここは論理的に固めるべき。著者らの研究は、企業研究員故に論文に出されていない?
傳田(DENDA)で調べたら論文みっかるかな。
TRPV1が神経だけでなく表皮を形成する細胞ケラチノサイト、すなわち死んで角質になり、やがて垢になって落ちていく細胞に存在し,作動していたのです。
表皮そのものがセンサーである、表皮で情報処理が行われている。
(p.26〜, 改変)
- 作動していた、とはどうやって調べたんだろう
(角質をはがして光を当てると、赤い光で回復が速くなり、青だと回復が遅れるという結果)。つまり皮膚は色を識別しているのです。
(p.41)
- ほほう。受容体があるのか
神経細胞と同じ、ON, OFFの状態がケラチノサイトにあることがわかったのです。
(p.53)
- 電位。興奮/抑制状態を起こす受容体があった。
表皮には様々な環境因子を「感じる」受容体があります。さらに、大脳で高度な情報処理に寄与している受容体も表皮には存在するのです。表皮は「感じる」だけでなく「考えて」いるのかもしれません。
(p.55)
- 脳だけで考えている、という証拠もないしな。逆に脳なしにある程度の行動を行う実験動物とか事故の被害者がいる
(空気に触れたケラチノサイトを発信源として、カルシウムイオン濃度の波が観察された。)
細胞内のカルシウム濃度が振動すれば、細胞膜の電位も振動しているはずです。ですから実験で観察された細胞たちは、低周波の電波を発信していると考えられます。
(p.69)
- 外に出てるのか。そらそうか。脳波もか
分子生物学以外は生物学に非ず、といった昨今の風潮は皮膚科学にも及び...
(p.80)
- ほんまよなあ
- セカンドブレイン=消化管...を受けて
ここで私は「皮膚も脳である。言わば第三の脳だ」という宣言を行います。ガーション博士が消化器系に見いだしたようなことは、皮膚、とりわけバリアを作る表皮には全て認められます。(さらに+αも)
(p.93, 改変)
- 情報処理を行っている。
ヒトにとって脳が重要な器官であることは言うまでもありません。しかし脳だけが特別な器官とは言えない。それは明らかに誤りです。なんと言っても、脳を持たない生物はたくさん存在するのですから。
(p.95)
- 脳幹がなんとか、という以前に皮膚の現場での情報処理にも着目すべきか
脳とは何でしょう。機能的に考えた場合の脳です。ある種の認識や判断や行動命令には、脳は必ずしも必要ではない。情報処理や恒常性維持(外部環境の変化に対し身体の中の状態を一定に保つこと)は、身体のあちこちの器官で、脳とは独自にやっています。それどころか、脳の機能であると考えられてきた意識を正常に維持するには、骨や筋肉やそして皮膚が必要なのです。(中略)
あえて言えば、絶え間なく変化する環境の中で生きている存在にとって、その境界たる皮膚の方が、生命機能維持のみを考えた場合、脳より上位と言うことも可能かも知れません。
(p.101)
- その境界を無くして脳をダイレクトに作動させるのがアイソレーションタンクか。そういえばアレ使うと自我の境界がなくなるらしい。皮膚の効果?
テレパシー、あるいは以心伝心と呼ばれている現象の存在は認めうる、と考えますが、「念力、つまり意志で物体を動かすこと」は信じません。後者はエネルギー保存則に合致しないからです。
(p.119)
- こういう立場を取ればいいのか
脳の研究者に「超常現象」を頭から否定しない人がいるのは、彼らには「暗黙知」の概念が常識としてあるからこそ、ではないでしょうか。
皮膚感覚は「暗黙知」になる場合が多いのです。つまり皮膚感覚に由来する「超能力」がいくつか存在することが考えられます。
(p.122)
- 言語化できないところになんかある。
私は最近、電位感受性イオンチャネル、すなわち「電気を感じて細胞を興奮させる分子」を表皮細胞に発見しました
(p.142)
- ソース!
私が主張したいのは、「知性」あるいは「こころ」の有無を決める決定的境界がない、ということです。そして、その上で言えるのは、脳だけがこころを作るのではない、ということです。
(p.160)
- 知性とは何か。という話。論理性?メタ意識?イルカはどうなの。
人間社会の基盤である、他者への信頼という感情に作用する物質がある。そしてその物質が皮膚への刺激で分泌されるのです。
(p.170)
- オキトシン。数年前にたてつづけに論文が出されている。
視覚と聴覚の世界がテクノロジーの発達で無限に広がっても、私たちは皮膚が感じる世界から逃れられない。(中略)
視聴覚が築き上げた人間の社会でも、皮膚感覚は暗黙知として大きな意味を持っています。目で見た世界では説明がつかないことが、皮膚から考えると理解できる。皮膚が見る世界に思いをはせ、皮膚が語ることに耳を傾けることが、今の私たちに必要だと信じます。
(p.215〜)
- 皮膚感覚はまだ拡張しうる?脳のところで皮膚感覚からの入力をハックしても、それとは別に現場で処理が行われてるかもしれんのか
参考文献
- 作者: アントニオ・R.ダマシオ,Antonio R. Damasio,田中三彦
- 出版社/メーカー: 講談社
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目次。
- 皮膚の構造 表皮の構造
- 皮膚にまつわる最近の驚き
- 皮膚は未知の思考回路である
- 皮膚とは何か
- 防御装置としての皮膚
- 防御装置をコントロールするセンサー
- 感覚器としてのセンサー
- 女性の指先はミクロンレベルの不規則を嫌う
- 触覚の錯覚
- 色を識別する皮膚
- 表皮は電気システムである
- 脳と表皮は生まれは同じ
- 感じ、考える皮膚
- 表皮は電気システムである
- 表皮細胞は電波を発信している
- 皮膚が老いると言うこと
- 痒い!
- 皮膚は第三の脳である
- 第三の脳宣言
- 背中を搔く無脳カエル
- 自我を作る皮膚
- 偏在する脳
- 皮膚科学から超能力を考える
- 東洋医学再論
- 皮膚科学から超能力を考える
- 眼以外の「視覚」
- 目利きの本質
- 気とは何か
- テレパシーあるいは以心伝心
- 皮膚が作るヒトのこころ
- 環境と皮膚
- アトピー性皮膚炎私論
- こころはどこにあるか
- 皮膚が作るヒトのこころ
- こころと皮膚
- こころを育む皮膚感覚
- 皮膚から見る世界
- 皮膚の変遷 - カエルからヒトへ
- ヒトはなぜ体毛を失ったか
- はだかの意味
- 顔の皮膚
- 境界としての皮膚
- 「非因果律的世界」を護る皮膚
- 皮膚が見る世界
- あとがき
- 参考文献
*1:ないことはないがまとめられていない