超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会/Ramez Naam(2005_2006)

超人類へ!  バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会

超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会

遺伝子治療、長寿、脳拡張、進化
# 原著が"MORE THAN HUMAN"なのに邦訳のタイトルがださい

変化を恐れるのではなく歓迎すべき。新たな技術を禁止するのではなく一般に広める。
バイオテクノロジー研究を禁止しても、研究者は鬱陶しいと思うだけで、大衆はなんとしても使おうとする。

NIHのフレンチ・アンダーソン: テコンド−五段の遺伝学者
プラスミドを研究していたハーバート・ボイヤーは初のバイオテクノロジー企業ジェネンティック社を設立

アラン・ランボウィッツ: イントロンをゲノム中の特定の位置に挿入する発見。相同組替
レトロウイルスではランダムに組み込まれるところをコントロール

新しい治療法が自然に反するものとみなされるのはよくあること。麻酔、無痛分娩、ワクチン。

高齢者の平均「余命」は大して増えてない。医学は主に病気を対象とするため。
長寿技術によるメリットはデメリットを越える
長寿者は競争に勝つために知力改変技術を使い出す
長寿といってもヨボヨボで生きるのではなく、若さを引き延ばす。そうなれば加齢に伴う疾患も防げる。医療費削減

1980年代、遺伝子改変による寿命延長。わずかな遺伝子の違いで寿命が大きく変わることの証明。
線虫の遺伝子を二つ変えれば寿命三倍。
マウスでも、インシュリンとその受容体を制御する遺伝子グループを改変すれば18%の平均寿命の延び。

カロリー制限(CR)による寿命延長およびアンチエイジングは多くの実験生物で確認。神経細胞の能力も高く保てる。
フリーラジカルの発生が抑えられるため?
ただしCR動物は体脂肪が少ないため寒さに弱い

ミトコンドリアフリーラジカルの攻撃を受けて壊れていく。正確に言えばミトコンドリア内では発生量がぱねぇので無毒化酵素が間に合わない
核内のDNAは危険な分子から隔離されていて安全。ただしミトコンドリアをコードする遺伝子はミトコンドリア内にあるためダメージうける。これは微生物共生のなごりかと。そこでミトコンドリア内のDNAを核内に移して防御力高めようという研究も

老化の起源(進化的に)研究: スティーブ・オースタッド


クレイグ・ベンターに関する記述

クレイグ・ヴェンターは傲慢、横柄、尊大、自己中心的で、「ダース・ヴェンター」とさえ言われたことがある。彼を形容する言葉には事欠かないが、どう転んでも謙虚と言われることはない。背丈のある一本気の禿頭のこの科学者は、争いに背を向けて逃げるようなことは絶対しない。 (p.168)

塩基配列解析能力はムーアの法則に似てるだけじゃなく、ムーアの法則そのものに支えられて進化している
低コストで簡便な塩基配列決定法 -> 遺伝子作用の決定が容易に。胎児の遺伝子診断が容易に。

遺伝子技術...医療目的と能力増強の二つの間にはグレーゾーンが。
特定の遺伝子には様々な作用。トレードオフ

クローンに反対する二大理由: 人間性アイデンティティ。 -> 一卵性双生児。QED


精神とコンピュータの統合は遺伝子いじりよりも人間の本質に挑戦するもの

そのうち正常範囲を超えた視覚能力が。
1999ギャレット・スタンレー: 経験をニューロンの段階で記録し、再生可能。猫の見たものがスクリーンに。視覚コードはいまやビデオコードの一つ。
バージャーら:海馬領域を刺激して反応を記録、これを繰り返して数学モデル作成。そしてコンピュータチップを作った。
感覚=記憶=想像。発火するニューロンは同じ。
電気刺激で感情に影響を与えることが可能。
脳波計で得られるのは脳内で起こっていることの大まかな情報でしかない。頭骨と頭皮でだいぶ弱まってる

SF

私たちが姿を消してからずっと後、私たちとおなじDNAを持つ生物がいなくなってからずっと後になって、遠い子孫は過去を振り返る。彼らは、歴史上の今の時点を顧みて、驚嘆するだろう。こんなに原始的な、ホモ・サピエンスのような生き物を元にして、すべての新しい生命グループが出現したとは!ホモ・サピエンスたちは、自分たちが何を想像しつつあるのか、わかっていなかったに違いない。だが、彼らが変化し成長しようという強い意志を持っていたのは幸いだった。だからこそ、私たちは今ここに存在するのだ。(p.262)

知識

遺伝子導入
外来遺伝子を細胞内に入れる
遺伝子挿入
外来遺伝子を核内のDNA配列中に組み込む