すごい「議論」力!/ロバート・マイヤー、内田和成訳(2005_2008)

すごい「議論」力!―これが最強の「論理&心理」術!

すごい「議論」力!―これが最強の「論理&心理」術!

  • できること
    • 最後に勝つにはどうしたらいいかがわかる
    • 表面的ではなく相手を心底納得させる
    • 誰も不快にさせない
    • 主導権を握る
    • ゴールを見失わない
    • 目的を達成する


論理こそ最大の武器
論理的骨組みがしっかりしていることが前提。

論理構成5つ

  1. 問題を再定義する
    • 暗黙の前提を問い直す
  2. 問題の構成要素を再定義する
    • 主張の根拠をそろえる
  3. 問題の範囲を再定義する
    • どの程度の影響まで考慮するか
  4. 仮定に基づいて結論を出す
  5. 主張を詳しく、やさしく言い換える
    • 簡単に達成した例を見せてあなたも多少の努力でできます、と言う


準備

  • あらかじめ自分の主張を書き留め、要点を書き出して何度も検討し、リハーサルする
  • 議論における意見の順序を整理、削減、キーワードの強調
  • しっかりと聞き、相手の心を開かせる

相手も納得させないと意味がない
主張には根拠を示す。


小さな弱点を自分から素直に認める。一歩譲って相手との接点を探る

プロは、どんな状況下でも「必勝のルール」を持つ。議論には「議論に勝つルール」があり、そのルールを守るだけで、あなたも議論に面白いほど勝てるようになる。
(p.20)

準備をしっかりして、相手への対策も万全にする

思いこみから出た結論は全て間違っている
一歩引いた視点から見て、思いこみを防ぐ

人は自分が「知っている」と思っていることを前提にして他人の言葉に反応する。
自分の知識は大したことないと自覚せよ。

自分を支配している根本は同じように他人をも支配している


しぐさで気持ちを読む

  • 腕を組んでいる(警戒)
  • 唇を結んでいる(緊張)
  • ちょっとしたことでも自然に笑うか
  • とがった口調になっていないか


相手の本音と建て前を見抜く。
相手が何を重用視しているか探る。目と耳を使う。


「影響下行動」...人は育った時代や環境によって大きく影響され、支配される。

相手のガードを崩す

物事は何でも「下地作り」が大事。議論も同じようにあらかじめ「打ち解けた空間」をつくっておくと、相手に拒絶されにくくなり、主張を受け入れてもらいやすくなる。
(p.48)

一緒にいて心地よい人とは、自分のことを受け入れてくれて、こちらの言い分を否定しない人である。そして、話にじっくり耳を傾け、導き出した考えや結論について一緒になって考えてくれる人には、誰でも打ち解けた気持ちになる。
(p.50)


相手の意見に耳を傾ける姿勢。

特定の分野で相手より勝っていても、それを鼻にかけないこと。
自画自賛せず、第三者を利用して自分を持ち上げる

    • 相手が知ってる人間、尊敬している人間の言葉で遠回しにアピール。
    • 成功をサポートしてくれた人の功績も伝える


熱意は伝染する

相手をほめる、感謝の言葉を述べる。人間は自分のことを話題にしてくれる人に好意を抱く

議論において、過ぎたことにこだわる理由はただ一つ。相手を批判するために他ならない。
(p.61)

議論の目的は間違いを認めさせたり謝らせることではなく、
合意を形成すること!合意に至らない理由ではなく「どうすれば合意できるか」に焦点


「あなたはこういいましたが、こうも言いました。両立は難しそうですが、何か名案はありますか」
# これも結構イヤミたらしいな


ほめるときと同様に、自分の非を認めるときは具体的に。
「XXしたのは間違いでした(馬鹿でした、やりすぎでした)」

  • 「売り言葉に買い言葉」を回避する
    • あなたの仰る通りかもしれません
    • それも一理ありますね
    • 私が彼方の立場だったら確かにそう思います

議論に勝つためには緻密な「論理力」が大前提だが、最終的にはその人の「人間力」によるところも大きい。むしろ理詰めで攻められると、人は圧迫感を覚え、素直に反応できないものである
(p.72)


相手に受け入れられる人柄を作る。
相手の呼吸に合わせる。
相手に取って重要なこと、関心のあるものを話題にする
謙虚で身近に感じられ、自分を理解してくれそうな優しい人間が受ける時代


相手のメンツを立てよう


信念で凝り固まっている人を理詰めで納得させるのは無理
主張に感心を持たせるのに重要なのは、「相手にとってもメリットがある」と、納得してもらうことである。

論拠

具体的な数字を入れる。
パーツを提示してその間を説明して繋いでいく


質問力


何を問題視しているのか、どこをどう押せば受け入れられるのかを探る質問
相手の言ったことを少し変えて繰り返してやる。


「なぜ」ではなく、「何、どのような」

仮定の質問。もし〜ならできるかな?と

詮索する疑問形を使わない
「どう思う?」ではなく、「あなたの感想を聞きたい」



未来に焦点を当てる。議論が進まない、相手が拒絶する理由は、
相手が将来に明るい展望をもてないから
=> 相手の希望や期待を代弁し、その期待を良い意味で裏切る


みたままを言葉にするのではなく、相手の心地よい言葉を使う


問題を一気に解決するのではなく、まず部分的な合意から

落とし穴
  1. 具体例
    • 反例が見つかると逆にピンチ
  2. 「常識」
    • 知ってない人がいたらだめ
  3. 一般論
    • よりも具体例。具体的な論拠

相手の深層心理

個人はパズルのように不可解だが、集団になると統計的に確実な存在となる。たとえば、特定の人間が何をするかは予測が付かない。しかし、集団において平均的な人々がどのように行動するかは正確に言い当てることができる。個人の差はあっても、確率は一定だ
(p.166: by シャーロック・ホームズ, 『四つの署名』より


「ものぐさ」という要因は見過ごされがちだが、人間は現状を変えたがらないもの。
一歩踏み出すのを後押しするメリットを見せてやる

相手の義理堅さ、自己イメージ欲、認証欲求に訴える


時に、言葉を尽くすより沈黙のほうが効果的。相手が反応する前に主張をだめ押しするのは逆効果



議論を始める前に、ゴールを決めておく
「僕は、この人にこうしてもらいたい」
要求を伝えるのは、主張を提示した後。先に要求を伝えると、相手が断る言い訳ばかり考えて理屈を聞いてくれない
# 二つの差が難しいな


言い方の問題
「お祈り中にタバコをすっていいですか」「逝ってよし」
「タバコを吸っているときに祈って良いですか」「いつでも祈っていいのです」



議論のプロは戦略を練り、テクニックを駆使して勝っている


発言を字面通りに受け取るだけではなく、
「どうしてそんなことを言ってるのか」を考える


「あなたの意見には賛成できない」という言い方だと人格攻撃に思われるため
「その意見には賛成できない」という。the/that opinion.