ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press) | |
W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子 おすすめ平均 明快なマトリックス やはり読んでおくベキ本。 ブルーオーシャンに漕ぎ出すことの難しさ NYPD の箇所だけでも読む価値あり 事業戦略を考えて行くのにはお勧めの本 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
レッドオーシャンを抜け出し、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場を生み出す戦略。新市場を開拓する方法を初めて体系化した、という触れ込み。
もくじ
[I: ブルーオーシャン戦略とは]
1. ブルー・オーシャンを生み出す
2. 分析のためのツールとフレームワーク[II: ブルー・オーシャン戦略を策定する]
3. 市場の境界を引き直す
4. 細かい数字は忘れ、森を見る
5. 新たな需要を掘り起こす
6. 正しい順序で戦略を考える[III: ブルー・オーシャン戦略を実行する]
7. 組織面のハードルを乗り越える
8. 実行を見据えて戦略を立てる
9. 結び: ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新
point
ブルーオーシャンを生み出す
- 顧客は、競争のない市場空間の作り方を知らない→企業が見つけ出す必要がある
分析のためのツールとフレームワーク
- 戦略キャンバス(strategy canvas)
- 既存の市場空間の全体を把握する
- 四つのアクション(the four actions framework)
- 新しい価値曲線を描くために。
- 「増やす」「減らす」「付け加える」「取り除く」
- アクションマトリクス(action matrix)
- 四つのアクションを補う。
- 「増やす」「付け加える」だけに偏った戦略に警鐘
- 四つのアクションを補う。
市場の境界を引き直す
- 他の業界から学ぶ。
- 補完財・補完サービスを見渡す
細かい数字は忘れ、森を見る
- 戦略アイディアは現場に足を運ぶことで得られる。
正しい順序で戦略を考える
- 買い手にとっての効用
- 価格 - 手を伸ばしやすいか?
- コスト - 価格競争力を保ちつつ、利益の出る水準までコストを下げられるか?
- 実現への手立て
組織面のハードルを乗り越える
- 関係者にいかに戦略変更の必要性を理解させるか。
- "ティッピング・ポイント・リーダーシップ"
- 目の前に厳しい現実を突きつける
- 中心人物を金魚鉢に入れる。透明性。
- そのためには公正なプロセスfair processが必須
- fair processを支えるもの「関与Engagement」「説明Explanation」「明快な期待内容clarity of Expectation」
- 関与...従業員皆に参加者意識を持たせる。
phrases
あなたの業界は、機能志向と感性志向のどちらだろうか。現在、主として感性志向を軸に競争しているのなら、機能志向を強めるためには何をそぎ落とせばよいだろうか。逆に機能志向から感性志向に近づくためには、どういった要素を付加すればよいだろうか。
(p.107)
- #±は例だろう。
人は誰でも「労働力」「頭数」「人的資源」としてではなく、人間として価値を認めてもらいたいと考えている。組織内での地位にかかわらず尊敬されたいし、個性や持ち味を評価して欲しいのである。
(p.237)
知識やアイディアのように規模の経済性や学習効果、収穫逓増などを見込める財の場合には、従来と異なった形で数量、価格、コストの重要性が増す。このような状況の下では、企業は手ごろな価格水準でこれまでにない価値を提供し、ターゲットとする買い手を当初から多数惹きつけて、市場規模を拡大するのが賢明である。
(p.281)
ブルー・オーシャン戦略の柱は、価格を高く設定して生産量を抑えることではなく、手頃な価格設定によって買い手にとっての価値を高め、それをテコに総需要を新たな水準に引き上げるころである。すると、導入期にできるかぎりコストを抑えるだけでなく、模倣者が現れてただ乗りをするのを防ぐために、長期にわたってコストを押し下げていこうとの強いインセンティブが働く。こうして、買い手も利益を得、社会も効率改善の恩恵に浴する。
(p.284)