ザ・キャッシュマシーン

ザ・キャッシュマシーン
ザ・キャッシュマシーンリチャード・クラフォルツ アレックス・クラークマン 三本木 亮

ダイヤモンド社 2005-12-02
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TOC理論の応用

TOC「システム全体のパフォーマンスはいくつかの制約条件によってのみ左右される」

ザ・ゴールで提示された「継続的改善のステップ」

※シンプルなフレーズに至る実際の感触は『ザ・ゴール』を参照

  1. 制約条件を見つける
  2. 制約条件を徹底的に活用する
  3. 非制約条件を制約条件に従属させる
  4. 制約条件の能力を高める
  5. ステップ1に戻る
  • 疑問点: 2と4の違いは?
  • よくある間違い - いきなりステップ4に進もうとする

ジレンマ - プロセス内コスト管理 vs プロセス外コスト防止

  • 前者 - ビジネスサイクルのコストを管理削減。本番適用にハンコが必要にしたり。
  • 後者 - ビジネスサイクル外。必須プロセスではない。
ジレンマを解決する思考モデル

drawing.svg - Inkscape

  • 矢印の流れは「XするためにはYしなければいけない」を意味する。
    • そしてそれぞれの矢印に対して「本当に?」と自問自答してみる。

TOCを用いたプロジェクトマネジメント

  • プロジェクトマネジメントにおける「学生症候群」 ... 試験はできるだけ先に延ばして欲しいと言うくせに、試験直前まで勉強を始めない。


"四半期終わりに大きくディスカウントすることを知られていればいるほど、より多くの顧客が待つ。そしてプレッシャーがかかった状態で、より多くの顧客が待てば待つほど、より大きくディスカウントせざるを得なくなる"。これは非常に危険なパターンです。

  • これまでのプロジェクトマネジメント: タスクが時間的に最も長く繋がった"chain"(クリティカルパス)がプロジェクト全体の重要な時間、と考えられていた。CPM (Critical Path Method)と呼ばれる。
    • ところが世のプロジェクトはほぼ例外なく予定通りに終わらない。
  • そこで、TOC理論を用いて
    • 完了までの所要時間は必要なリソースがすぐに使えるかどうかという"状況"を加味して考えなければならない。クリティカルチェーン。PJの論理的な順序。
    • 保護時間の運用方法が変わる。普通に"バッファ"取ってると、なぜか、すべて使い尽くされる事がほとんど。そこで、以下の方法でバッファを管理する。
    • まずそれまでタスクに割り当てていた保護時間を取り除く。ただしtop downではなく実行者と相談しながら。削ったバッファを、次の3つに再分配する。
  1. Project Buffer: チェーンの一番最後に置く。
  2. Merge Buffer: クリティカルチェーンが合流する所にバッファを設ける
  3. Resource Buffer: 準備命令。クリティカルリソース(非常に重要だが、必要なときに他でも使われててすぐ使えないかもしれないリソース)へ"Resource Bufferの3日間を使ってもいいから次に来る大規模習性タスクに備えておけ"という命令を出す。


時間があまりないとわかっていれば、人は早めに動き出し、最初から一生懸命頑張るものです。それに、いわゆる"不必要な独創力"は発揮しようがなくなり、適切な所で妥協しようということになります。プロジェクトマネジメントにはこれが必要なんです。
p.206

  • 営業プロセスに関する応用:
    • 用意したバッファの1/3が消費されるまでは干渉せず自由にやらせて、バッファがそれを下回ったら介入してサポート。2/3なくなったら抜本的な対策を。

日本のブルー・オーシャン戦略

日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く
日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く安部 義彦 池上 重輔

ファーストプレス 2008-09-20
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実例豊富で原著よりもわかりやすい

memo

  • ブルーオーシャン戦略のスタートは、ノンカスタマーが市場から遠ざかっている理由を解明する事
  • このときアンケート等の既存の市場調査に頼らない事。ゲームをしない人のことをゲームがらみのアンケートでは掴みきれない。自分たちで頭を使って創造性を発揮する事。
  • マスの取れる価格設定。単純にコストを積み上げてマージンを乗せる「コストプラス」型ではなく、マス顧客層の手の届く価格に設定。重要な所にカネをかけて削れるコストは削る。コールドスポット(非重点領域)を明確に定義。
  • 1. 買い手にとってのユーティリティがあるかどうか
  • 2. マスの手の届く価格を設定する
  • 3. 価格を実現可能なコストを考える
  • 証券業界 ... 90年代後半の個人向けディーリングサービスの発達。
市場の境界を引き直す6つのPath
  • 1. 業界内のライバルに照準を会わせる
  • 2. 戦略グループ内部の競争上のポジション
    • → 業界内の様々な戦略グループを見渡す
  • 3. 買い手の要望によりよく応える
    • →業界の「購買者グループ」を定義し直す
  • 4. 業界の枠組みの仲で製品やサービスの価値を最大化する
    • →「補完的な」製品やサービスを見渡す
  • 5. 業界の機能/感性の方向性に沿って価格・パフォーマンス比を改善する
    • →業界の機能/感性の方向性を問い直す
  • 6. 外部トレンドへの適応を目指す
    • →将来にわたって外部トレンドの形成に関わる
3層のノンカスタマー
  • 1. Soon to be (境界者) ... すぐ他に移りかねない層
  • 2. Refusing (拒絶者) ... 検討した上であなたたちのサービスを利用しないと決めた人
  • 3. Unexplored (処女地) ... 思いもかけないユーザ層
買い手にとってのユーティリティ
  • 最初に確認すべきは「買い手にとってのユーティリティ」
  • 業界の枠のとらわれず。
    • 価格やコストの板挟みで買い手のユーティリティを犠牲にしない。
組織面の4つのハードル
  • 認識のハードル
    • →厳しい現実、データや数字で遊ばない、直接現場
  • 経営資源のハードル
  • 士気のハードル
    • →中核人物に直接アプローチ
  • 社内政治のハードル

シェア -- からビジネスを生み出す新戦略

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略レイチェル・ボッツマン ルー・ロジャース 小林 弘人

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  • 所有 or share -- ではない。コラボの形で続いて行くだろう。
  • Facebookの共同創設者クリス・ヒューズ -- ザッカーバーグのルームメイト。
  • 2007年に同社を退社、My.BarackObama.comを創立。
  • 大統領選挙というものをゲームに変えた。イベントを起こすと15 point, ブログにアップすると3point...総合点によりランキングされる。しかも直近の活動に重み付けされるので継続のモチベになる。
  • Meraki, Kickstarter, MeetupなどのサービスはGeneration Y, Generation Weなどと呼ばれる三十路前の起業家。
  • NASAのクリックワーカーズ・プロジェクト
  • 所有せずとも、利用したサービス分だけ支払うというスタイル。モノではなく、それによって満たされるニーズ、経験が欲しい
  • 大勢のneedsとwantsを結びつけるsocial networkの可能性
  • サイトが大きくなって行くときに気をつけるべきは「邪魔をしない」こと
  • swap.com -- バーコード番号かISBNコードを入れると交換対称が表示される。
  • モジュール化...分解と組み立てが容易
  • 永遠に改良して使い続けることが出来る。

販売量だけを基準にした生産中心の経済指標から、現在と未来の人々の幸せを反映した多面的な価値の指標への移行というより大きな動きの表れでもある。

参考

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代


ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代ダニエル・ピンク 大前 研一

三笠書房 2006-05-08
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トフラーの『第三の波』は農耕社会(1st)、産業社会(2nd)の次の情報化社会を予測した本(1982年)。
ドラッカーのナレッジワーカーが礼賛されていたのは第三の所まで。

知的労働者の反復性・再現性のある仕事は、程度の差はあれ
・コンピュータに代替される
・コストの安い海外に振り向けられる
可能性が高い。

カンニングを容認するようになった学校。

「答えの無い時代」のいま、世の中に出たら、知識を持っていることよりも、多くの人の意見を聞いて自分の考えをまとめる能力、あるいは壁にぶつかったら、それを突破するアイディアと勇気を持った人の方が基調なのである。


「ハイ・コンセプト」...パターンやチャンスを見いだす能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話の出来る能力、一見バラバラな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力

「ハイ・タッチ」...他人と共感する、人間関係の機微を感じ取る、自らに喜びを見いだし他の人が喜びを見いだすことを助ける、日常的な出来事も目的や意義を追求する能力

みんなの意見を聞いて統合した上で「自分はどう思うか」を伝える

6つのセンス...デザイン、物語、(全体)調和、共感、遊び、生き甲斐

知識労働者ら左脳主導思考の成功により価値が下がり、右脳的な部分の価値が上がって来た

MFA(Master of Fine Arts)という資格。
MET(Master of Entertainment Technology)@カーネギーメロン大学


情報は物語を通した方がよく知ることが出来る

以前はひとつの分野で専門家となれば成功が保証されたが、現在は、まったく異なる領域の仕事を同等の自身をもってこなせる人が、多額の報酬を手に出来る。
「境界を超えられる人」...複数の領域で専門性を身につけ、異なる言語を操り、様々な体験の中に喜びを見いだすことが出来る。

ただ境界を超えるだけではなく、機会を見極め、それぞれを結びつける必要がある。

パターン認識力 = 優れたリーダーの資質。

いいものを記録する。優れたデザイン、珍しい比喩。

ST(精神超越性)テスト...幸福感と精神性

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?

なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学
なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?誰も教えてくれなかった!裏会計学小堺 桂悦郎

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経費で落とす。耐用年数が設定されているものはその年数で経費化。だったら中古で耐用年数が減ってる奴を購入した方が良い

車に関しては諸経費を一括で経費に出来る。また、初年度は月割償却。

会社として車のローンを組めば「未払金」にできる。
リースを使えば5年払いで勘定項目「賃貸料」

中小企業は債務超過じゃ倒産しない。わりとよくある。
債務超過の定義は「資産<負債」。
中小企業の経費で一番高いのは人件費。そしてその中でも社長の給与
500万の赤字で1200万給料、の意味するものは => 不足分は社長への未払い給与として負債側に。

クリケツこと繰越欠損金...赤字分を、利益でた年度の利益から引ける(法人税かからない)。赤字は7年前までさかのぼれる。

個人事業主で白色決済だったらPL(売った買った)だけでいい。BSはいらない。

生命保険で節税!定番中の定番。
利益1000万、普通なら法人税500万のところを1000万掛け金の生命保険に入ると税金0に。5年後に700万戻って来る。

読んでいない本について堂々と語る方法

結構いいこと書いてる。

読んでいない本について堂々と語る方法
読んでいない本について堂々と語る方法ピエール・バイヤール 大浦 康介

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読書の規範

  • 1. 読書義務。読書は神聖なものであるとする。
  • 2. 通読義務。すべて読まなければ読書ではない。
  • 3. 読んでいない本について語ることは出来ない。

メモ

  • 読んでいないことに対する"やましさ"を解消することを目的とする。
  • 本の内容は知らずともその本の「位置関係」は分かる。
  • 読書は時間の中で推移する。すなわち読書を始めた瞬間から忘却が始まる。
    • 記憶は個人の記憶によって歪められる。
  • 書物について語るときに自分がどの位置に居るのかを知ること -- 読んだことの無い書物を考察するにあたり重要
  • 他者は「知っている」と考える習慣を止めるべき。

その数学が戦略を決める


その数学が戦略を決める
その数学が戦略を決めるイアン・エアーズ 山形 浩生

おすすめ平均
stars内容はGOOD。和訳は??
stars数字にもとづく戦略
stars「経験の数字化 → "絶対計算"で戦略」について様々な事例が分かる
starsなんでも、なんとか、とりあえず「数字」に翻訳してみる話
stars絶対計算という表現が馴染まない

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  • 「絶対計算」大仰な名前だが要するにデータマイニング
  • 兆単位の発掘 = テラマイニング
  • 回帰分析は強力だが過去の大量データが必要。それがない場合、無作為抽出でリアルタイムでデータを創り出す。
  • 人間の出番は「仮説立案」にある。

人間に残された一番重要なことは、頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきではないか推測することだ。統計回帰分析は、それぞれの要因に付ける重みは教えてくれる(そしてその重みの予測精度も教えてくれる)。だが人間は、何が何を引き起こすかについての仮説を生み出すのにどうしても必要なのだ。

  • ニューラルネットワークは強力な予測結果は出すが、信頼区間は与えてくれない。
    • 過去データを無理に再現しようとして逆に将来を予測できなくなる(過剰フィッティング)問題。
  • プライバシーを守るために行動を変えるのはわずか7%。クーポンで50セント安くなるなら社会保障番号を引き渡す。
  • 日本の制度では、集めたデータは目的以外の事に利用してはならない。